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東日本大震災から9年

2011年3月11日に発生した東日本大震災から丸9年となりました。

折しも、新型コロナ感染拡大による影響が各方面に現れ、感染の心配はもとより、イベントの自粛や、マスクをはじめとする紙製品の不足、経済の悪循環など、見通しの立たない大きな不安が立ち込めている状況は、もはや災害時と同じと言えるでしょう。

ある日突然、楽しかった学校がお休みになってしまい、子どもたちにとっても「何かが起きている不安」が必ずやあるかと思います。子どもたちを、不安にさせないよう、テレビなどの情報から少し離れさせ、会話をし、ゆったりとした時間を過ごすことも大事なケアだと思います。

その「新型コロナウィルス」感染予防のため、できるだけ外出を控える必要がある中、合わせて自然災害の発生など、いざというときのことも考え、少しずつ備蓄をしておくことが必要です。もちろん、買い占めは避けるべきですが、必要最低限のものをコツコツと備えておければ、それだけでも安心感があります。

備蓄の一般的な手順

備蓄の専門家であり、防災備蓄収納マスタープランナーの水口綾香さんは、気象情報会社で企業や自治体の災害対策に関わった経験を持ち、ご自身も育児中に東日本大震災を体験した方です。

現在のような、新型コロナウィルスの感染予防のために外出を控えたい状況下では、どんな備え方が良いのか。

「まず、焦って買いに行くことをやめましょう、将来、別の感染症の流行や、災害が起こっても、何度も焦らないように、長く継続できる備蓄の仕組みを整えておくことが大切です」と、水口さんは話します。以下要点をあげます。

1. あらゆるリスクを想定して備蓄をリストアップする

「病気やケガのとき、ライフラインが止まった時、普段の暮らしの維持のためなど、さまざまな視点で見直しをして、備蓄品のリストアップをすること。1週間分の備蓄なら、食事3回×人数×7日、と水1日3リットル×人数×7日、が目安です。また食品や衛生用品に限らず、蔵自然体を俯瞰して必要なものを洗い出すことがポイントです。」

2. 計画的に購入する

「備蓄を購入する際には、特に食品は何となく購入してしまうと、食べきれずに期限が切れてしまうことが多くなります。よく考えて、計画的に購入し、お金と保存スペースを出来るだけ抑えましょう。」

3. 備蓄の保管スペースを確保する

「備蓄品を購入したら、保管するスペースが必要です。不要なものは捨て、すっきり暮らしやすい環境と備蓄スペースを両立できると理想です。」

4. 定期的に備蓄の補充を

「備蓄は使い切ってしまわないように定期的に在庫チェックし、期限切れや補充忘れがないか確認しましょう。普段使いのものを多めにストックしておき、使った分は補充する「ローリングストック法」がお勧めです。」(以上水口さんのお話)

どんなものがお勧めか、食品の備蓄術

最も心配になるのが、食品、いわゆる非常食の備蓄方法です。具体的にどんなものを、どのように選ぶのがいいか。

防災備蓄収納マスタープランナーの三原麻弓さんは、子育て中に阪神淡路大震災を激震地で経験した実体験も交えて、食料品の備蓄について、次のようにアドバイスします。

「備蓄を選ぶ際は、どんなに非常時でも平常時と同じように暮らせるかが重要です。食料品は、栄養補助となる食料や飲料を備えておきたいですが、ポイントは、防災用の非常食を家族みんなで一緒に選んで購入するなど、家族が好きな食べ物を選んだり、試食を兼ねて購入したりすること。災害時に好きなものを食べられることで、満足感が高まります。またご飯やパンなどの主食におかずを組み合わせるなど、献立を考えるように選ぶようにすると、余分なものを買わずに済みます。この機会に、試食も兼ねて非常食の1週間分をそろえてみて、家族が好きな非常食を見つけてみるのもいいかもしれません」

ということで、水口さんと三原さんが選ぶ、大人向け、幼児向け、高齢者向けにおすすめの非常食をあげてみます。

(大人向け)

・主食に偏らず野菜やたんぱく質も意識する

「炭水化物ばかりにならないように、野菜やたんぱく質を意識して揃えられるとよい」

・調理不要のフリーズドライ食品など

「メインで家事を行う人が体調を崩す場合も考えて、調理不要で開けたらすぐに食べられるものも揃えたい。フリーズドライ食品は賞味期限が長く、種類も豊富で取り入れやすいので良い」

・アルファ化米・パンの缶詰

「長期間日持ちするアルファ化米やパンの缶詰などの非常食は味見して好みのものを備えたい」

・ミックスナッツ、シリアル

「おやつや栄養補助の朝食や昼食としておすすめです」

・サバ缶

「サバ缶はそのままでもおかずになりますが、サバ缶に混ぜて味付けする商品なども出ているのでそれも備えておければ、サバ缶がイタリア料理にもなる」

(子ども向け)

・早ゆでのマカロニやショートパスタ

「普段の食事でも大活躍するのでおすすめ」

・飲み切りサイズのパックのジュース

「常温で2か月ほど日持ちするものもあり、備えておくとおでかけのときにも重宝する」

・いつも食べているおやつ

「おやつは、災害時には毎日の心と体の栄養補給なので、忘れずに準備したほうが良い」

・牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料 チーズ

「お子さんにアレルギーがない場合は、これらの乳製品がおすすめ」

・フルーチェやプリンミックスなど

「子どもと一緒作って食べるものを用意しておくと、一緒に作る工程も楽しめます」

【アレルギーがある場合】

「アレルギーのあるお子さんがいる場合は、普段から食べ慣れているものを2週間~1か月以上備蓄するとよい。アレルギー物質27品目不使用で5年保存がきくライスクッキーもある」

(高齢者向け)

・普段からら食べ慣れているもの

「心と体の健康を維持することができるものを備るとよい。体に負担がかかるものを無理に備える必要はない。基本は普段食べ慣れているものを多めに。食べ慣れていないモノを備蓄するときは、本人に味見してもらうとよい。」

・甘酒

「甘酒は栄養価も高く、缶やフリーズドライのものもあって備蓄に向いているのでおすすめ」

・栄養補助飲料、ゼリー飲料、スープ類

「介護をされている場合は、栄養補助飲料やゼリー飲料、スープなども備えるとよい」

・水

「水は1人1日3リットルと言われますが、薬を飲む方は薬を飲む水もさらに必要です。1日につき、1人500mlペットボトル1本多く備えるとよいでしょう」

・豆乳

「豆乳は栄養価も高くおすすめの飲料です。日頃、豆乳が飲めない人は、フルーツ豆乳飲料がおすすめ。常温保存可能です」

・レトルトのお粥や、アルファ化のお粥

「お粥は、食欲不振時に使えます」

・梅干、海苔、海苔佃煮、とろろ昆布

「ご飯のお供はもちろん、お吸い物の具にもなる」

医薬品類も備えよう

「不必要に病院にいかなくても済む医薬品を揃えておきましょう。頭痛などに効く痛み止め、総合感冒薬、シップ、胃薬、整腸剤、便秘薬や、場によっては下痢止め、総合ビタミン剤、熱さましの冷却シートなど。できるだけ使用期限の長いものを選ぶとよい」

今月は、備蓄についてお伝えしました。ご家庭だけでなく、職場でも参考にしていただければと思います。まだ必ずしも備蓄をする必要のある段階ではない時からの備えが大切です、将来、何が起きても対応できるように、今日から始めてください。

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